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  刺激的コンセントタップ

夕方頃、新し物好きのはにわの家に、友達が遊びに来た。
「やぁ!久しぶり!手土産に肉まんもってきたよ!冷めちゃってるから後でレンジであっためて食べようね!」
「わぁ!ありがとう!ここの肉まん、大好きなんだー!まぁあがってよ。おいしいコーヒー淹れたんだ。」
はにわ達はコーヒーを飲みながらひさしぶりの再会を喜びあった。

「そうだ、同級生だったあの泣き虫のコ、知ってる?この間久しぶりにあったら、泣き虫どころか元気いっぱいでびっくりしちゃったよ~。デジカメで写真撮ったから、その画像をみてってよ。」
「わっ、見る見る!久しく会ってないもんなぁ。」


「ちょっとまってね、パソコンの電源を入れてっと。」
はにわはパソコンの電源プラグを取り出し、コンセントの穴らしきものがいくつもあるこんもり山状のものに近づいた。
「・・・それ、何?コンセントタップだとは思うんだけど、やけに大きいし、形も変わってるんだけど・・・。」
「あ、これ?知らないの?最近流行りのエコな刺激的コンセントタップだよ。」
「刺激的コンセントタップ・・・?」
「うん、毎回電器製品の電源プラグを抜いて使うから、待機電力もセーブできてエコなんだよ。ハニー電力がやってるんだ。」
「・・・まぁ、それはどんなコンセントタップでも同じだと思うけど・・・。」
「エコという点ではそうなんだけどね、でも、人生のめりはりができるという素晴らしい製品なんだ。とりあえず挿してみるよ。」
はにわはパソコンの電源プラグを持って、なにやら神妙な面持ちになった。
「・・・よし!決めた!ここだ!」
はにわは気合をいれて勢いよく真ん中の穴にプラグを挿した。すると・・・。
ぴんぽーん!
「わぁ!よかった!正解!」
「・・・な、何が正解・・・!?」
「当たりはずれがあるんだよ。毎回どきどきしちゃうんだよね。」
「・・・へぇ、そうなんだ。」
「とりあえず、良かったよ。でも、はずれちゃうと電気のありがたさをすごく感じるんだよ。」
「・・・ふぅん・・・。」
パソコンを起動して画像を閲覧するとすぐに話題は変わった。
「わぁ、ほんとだ、すっかり別人みたいだ。ちょっとからかっただけなのにすぐ泣いちゃったりしてたんだよね。懐かしいなぁ。」
はにわ達はいつのまにか昔話に熱中し、話に花が咲いていた。

「そろそろおなかすいたね。」
「うん、じゃぁ、持ってきた肉まん食べようよ!」
「じゃぁ、電子レンジであっためるから待っててね。えっと電子レンジの電源プラグををコンセントに挿して・・・」
「あ、ぼくも試してみていい?その刺激的コンセントタップ。」
「うん!やってみてよ!」
友達もおそるおそるチャレンジしてみた。
「よし!ここだっ!」
・・・ぴんぽーん!
「わ!当たった!これで肉まんが温められる!単純な話なのになんだか楽しいね。」
「でしょ?毎日の生活に潤いが出るでしょ?」
はにわ達はほくほくと美味しそうな湯気を吐く肉まんをほおばった。
「この肉まんがあったかいのはすべて電気のおかげってことかぁ。」
「うん、そうだよ。技術の進歩ってすごいよね。あらためて実感するよ。」

「そういえば、いつも見ているテレビがあるんだけど見てもいい?。」
「うん、いいよ。えっと、テレビの電源プラグは・・・。またコンセント挿しを試してみる?」
「うん!やりたい、やりたい!!」
友達はにわはどきどきわくわくしながらしながらテレビの電源プラグを手にした。

「よし!今度はここだっ!」
勢いよくコンセントタップに挿すと・・・・。
ブブブーー!
といういかにも外れましたという音とともに、ばちっとパソコンも家中の照明もすべて切れてしまい、部屋中真っ暗になってしまった。
「わっ、何!?停電っ!??」
「・・・あーぁ、はずれを引いちゃったかぁ。はずれを引くと家中の電気がストップしちゃうんだ。ハニー電力の人を呼んで修理頼まないとだめなんだ。」
「ええっ!?わざわざハニー電力の人を呼ぶの?コンセントタップのスイッチを切り替えたりとかで対応できないの??」
「それは”ちょっぴりわくわくコース”だよ。でもそれじゃぁ緊張感なくなっちゃうから、うちは”完全わくわくコース”なんだ。
こっちは電力会社の人を呼ばないと復旧しないんだ。とりあえず、電話してみるよ。えっとケータイ、どこだ、ケータイ・・・」

はにわは暗闇の中でなんとかケータイをみつけ、ハニー電力に電話をかけた。
「今日は忙しいらしくって、来るまでに1時間かかるって。」
「えええぇ、そうなんだ。」
「それにしてもケータイにバッテリーが残っててよかった。幸せを感じたよ。わざわざ公衆電話まででかけた時もあったもん。」
「・・・す、すごいね・・・。そんなところに幸せってあったんだ・・・。」
「それにしても、家の中が真っ暗なせいか、街頭の明かりがきらきらして見えるよね。」
「うん、まるで夜空にきらきら輝く星にみえてくるよ。闇夜に輝く光ってなんて綺麗なんだろう!」
「あはは!きみもだいぶ刺激的コンセントタップのファンになりつつあるね!」
「あはは!そうかもね!」
はにわ達はまるで満天の星の下にいる気分で電力会社の人を待った。


「こんばんはー、お待たせしました、ハニー電力です。」
「わっ、来た来た!いらっしゃい~!」
「あ~、またやっちゃいましたかー。はい、じゃぁ修理しますね。」
ハニー電力の人はちゃちゃっと修理をしていくと、暗かった家の中に明るい照明がついた。
「わぁ!明るい!眩しいくらいだ!夜なのにこんなに明るいなんて、電気のある生活ってなんて素晴らしいんだろう!」
友達はにわはしきりに感動の嵐だった。

「はい、じゃ、これが今回分のわくわく券になります。」
電力会社の人は券を一枚渡して去っていって。
「やったぁ!わくわく券がやっと10枚集まった!お好きな産地直送宅急便がもらえるんだよ!」
「すごい!人生にわくわくがこんなにいっぱいあったなんて、びっくりだね。」

・・・毎日が退屈なあなた、刺激的エコタップで素晴らしい毎日を実感してみませんか?
もちろん、”完全わくわくコース”で・・・。