おどるはにわ
パチンコ
はにわ達は信心深く、毎朝、新聞の占いを見ては一喜一憂する。
さて、そんな信心深いはにわたちは、大変なギャンブル好きである。
パチンコは、競馬と並ぶ大衆娯楽で、毎日お店は大盛況だが、しかし、彼らの村では、パチンコに熱くなってサラ金に手を出し、身を滅ぼす、なんていう物騒な事件は起こらない。
ここは、はにわ村のとあるパチンコやである。
たばこ臭い空気、うるさい騒音。これは、どこにでもよくある光景である。
ラッキーが続き、ほくほくとドル箱を積む上機嫌なはにわに、負けがこんで、熱くなってやけくそになり、絶対取り返してやる!とますます負けを膨らましていく泥沼にはまった不幸なはにわ・・・。
やはり、ここにも、そんな人生の縮図がたくさん見られるのである。
さぁ、はにわ村のパチンコの遊び方を見てみよう。
しかし、パチンコで人生を狂わしてはいけない。
そのため、彼らの村では、村の指導により、パチンコや1件につき占い師一人が義務付けられている。
熱くなってやけくそになったはにわを見つけては声をかけて、ドロ沼に入るのを救うのが、占い師の役目なのである。
今日も熱くなり、ただただやみくもにお金をつぎこむ不幸なおやぢはにわがいた。
若いパチンコやの店員はにわは、見かねてそっとそのおやぢはにわに近づき、話しかけた。
「おぢさん、もうやめた方がいいよ。今日はついてないんだよ。」
「うるせぇな!おまではだまってろ!今にどーんと取り替えしてやっからな!」
目は血走り、店員の忠告など全く聞かないおやぢはにわである。
店長はにわも、店は儲かるからいいが、しかし、自分の店で身を滅ぼされるのは、気分が良くないので困っている。
そんなとき、占い師はにわが登場するのだ。
そっと、アツくなっているおやぢはにわの背後に忍び寄り、肩をぽんぽんと叩く。おやぢはびっくりして振り返り、水晶を手にした占い師を見る。
「・・・そなた、死相が出ておるぞ。」
深みのある声で語りかけると、信心深いおやぢはにわは、死の恐怖におびえ、命あってこそ、と今まで吸盤のようにはりついていたパチンコ台から、さささっと離れ、逃げるように店から出ていった。
はにわ村では、パチンコは、身を滅ぼすはにわなどいない、健全なギャンブルなのだ。
はにわ村のパチンコやは、今日も繁盛している。